シャンパン

久々にお店のコラムと同じことを書こうかなと。。。

来週実父が来店することになったので、少し前にも書いたが父との話を書こうと思う。

僕は3年弱まえに7年間勤めていた広告代理店をやめた。
その時、すべての親族から反対された。
その中でも一番反対したのが実父だった。
一生口を利かなくなるんじゃないかな?と思うくらいやり合った。

でも僕はこの道に進むことになった。
というか、そこまでしたのに引き下がれなかったのも正直なところ。

僕はすぐに飲食店に入り、現場で20歳にも満たない女の子に
「片寄さん!早くしてよ」
とか言われながら、毎日下っ端として働いていた。

そして僕からは連絡しにくくなった父から連絡があったのが7ヶ月くらい経ってからか。

「たけの仕事を見てみたい」と。

僕は嬉しい反面、ソワソワして、緊張していた。
彼が好きそうなコースを!と思っても、小学校以来ほとんど食事なんてしたことないし、
外食なんて全く記憶がないくらいなかったのでわかるわけもなく、何となく考えた・・・。

そして来店。

4人席に今の奥さんとゆったり座ってもらう。

お酒を飲めない父にはジュースを用意していた。

が、違った。

「たけ、シャンパンを」
そして、「お前も飲め」と。

人生二度目の父との乾杯だった。(前の日記で一度目の乾杯については書いた)
また、無理して頼んでくれた。

そしてシャンパンを注ぐ僕の顔をじっと見て、乾杯する僕をじっと見て・・・

「頑張っているな」
と。

反対し続け、「独立なんて甘くない」「お金は貸さない」「連帯保証人とかには絶対にならない」
と全く僕を信用していなかった彼がかけてくれたその言葉が本当に嬉しかった。
そして、その言葉の重さと期待感と愛が伝わり、僕はずっと向こうの前に向かって歩き出せる気がしてきていた。

それから右往左往というか、いろんな勉強をしていくたびに報告だけはしていた。
毎回厳しい指摘を受けた、本当に。
人生について、定職を持たないことへの叱咤など。

それから幾年がたち、okeiオープン前。
静岡の富士に住む父の所にもろもろの報告に行った。
どんな店になるのか、お金の話、色々だ。

そして話の最後。
黙って聞いていた父が・・・「200万出してやる」「これしかないからな」と。
びっくりした。
お金の怖さを知っている父は息子といえどもお金の貸し借りをひどく嫌っていたので
そんなことを言ってきてくれるとは思っていなかった。

僕の結婚式のために貯めてくれていたお金だった。
すごく感謝した。本当に。
僕は何度も頭を下げ、泣きながら家に帰った。

厳しいことを何度となく僕に浴びせ、嫌いになるほど言ってきた父。
でもそれは彼なりの愛情であり、人生の先輩からの助言だったと新幹線で思った。

あのシャンパンがなければokeiは存在しなかっただろう。
あれから僕のスピードが上がったように思うから。

親父とはすごいものだ。
就職、出世、結婚、離婚、子育て、裁判、移住、結婚、離婚、結婚・・・。
本当にたくさんの経験をして、僕らの生きるためにたくさんのお金を使ってきたはずなのに、
それ以外に結婚のためにお金をためているんだから。

自分もそんな男になれるだろうか。
なれなくてもいいか。

あのシャンパンとお金の怖さと温かさを知ることができたんだから

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